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本好きによる本好きのための周辺改良譚

こんにちは。 チャレンジ5日目です。今日は長くなりますよ、お覚悟を。

それでは、いざ。

『本好きの下剋上 ~司書になるには手段は選んでいられません~』 香月美夜 さん

――これは、家族と愛と、本のお話。

~読まなくても大丈夫なあらすじ~ 第1部:本がないなら作ればいい! 本に埋もれて死んだにもかかわらず本が好きすぎて別の世界でも読書がしたい主人公。けれど乗り移った(?)先の少女マインは虚弱で外に出ることもままならない! 本が高価な世界の下町で生きる少女は本を作ることができるのか?

第2部:神殿図書館に目の眩んだマインは巫女見習いとして神殿に入ることに。本作りと並行して孤児院長としての仕事と神官長のお手伝い、フェシュピールのお稽古にと大忙し。そんな中、とある事件をきっかけに家族を守るため領主の養女となる。 第3部:ローゼマインと名を変え貴族社会に身を投じ、流行を造り出すとともに本を増やそうと大活躍。養子に入った先で同い年の兄と、ひとつ下の妹ができた。今までは大天使トゥーリ(※姉)しかいなかったローゼマインは可愛い妹のために奮起する! 第4部:長い眠り(比喩表現ではない)から目覚めたら、貴族の子息子女が正式に貴族になるための勉強をする貴族院に通う年になっていた。浦島太郎なローゼマインを待っていたのはフェルディナンドによるスパルタ詰め込み教育。そのおかげで大変優秀なローゼマイン。彼女は早く授業を終わらせて貴族院の図書館に通いまくりたいだけなのに、なぜかやたらと上位領地に絡まれる。よろしい、ならばディッターだ! 第5部:フェルディナンドが敵領地にお婿に行ってしまって、さぁ大変。ちゃんと寝てるか食べてるか、薬で体調をごまかして働き詰めてはいないだろうか……。心配だらけなのに周囲はそれを理解してくれず、フェルディナンドはもう他領の人間なのだからそのように心を傾けるのではない、婚約者(兄)を心配してやれと口々に言われ、参ってしまう。王族には無茶ぶりされるし、思ってたよりフェルディナンドの立場は悪いし、誰にも相談できないし。己のゲドゥルリーヒを守るため、ローゼマインは悩みながらも周囲を巻き込み突き進む。

~ここまで~

長い。でも、だいぶ抑えました。マジかよ。本編600話以上あるのです。しかもSSとか番外編とかもあるのです。これで完結作品とか凄すぎる……書籍化もしてます。イラストは椎名優さん。コミックス版は鈴華さんです。なんとドラマCDも出てます。ローゼマインの声は沢城みゆきさん、フェルディナンドの声は櫻井孝宏さんだそうです。グッズも色々あります。印刷博物館とコラボもしました。うわーお。

クラフト系が好きな人なら前半部分が楽しめるでしょうし、宮廷ものやヒストリカルロマン、魔法学校という単語にきゅんとする人なら第4部からが本番と言ってよいでしょう。もちろん、両方好きなら文句なしです。

作中でローゼマインがフェルディナンドの存在は自分にとって「長椅子」であると表現する箇所があるんですけれども、これは逆にも当てはまるんです。フェルディナンドにとっても、ローゼマインは長椅子なんです。寝台ほど寛げないけれど、それでも寄りかかって休める場所。この関係性がたまらなく好きで、長い物語ですけど読み終わると不思議とフェルディナンドが登場した神殿時代を読み返したくなるんですよね……。読み返しは本好きファンの嗜みと言っても過言ではありません。本好き病です。読むと高確率で罹患します。続きが読みたい病も併発しがちです。 この物語のすごいところはキャラクターの魅力はもちろん、神話とそれに関わる世界の仕組み、それがすごいんです。この世界では神さまに祈ると春が来るし、きちんとお祈りすれば祝福としてダイレクトに返って来る。なにそれすごい。ギリシャ神話のような多神教で、季節ごとにそれを司る神様がいる。そして眷属神もいる。待って、覚えきれないよ。でも、本好きの民になれば、自然と神に祈りを捧げ始めるし、恋の訪れに「ブルーアンファよ……!」、ものすごく速いで「シュタイフェリーゼよりも速く!」、一番大事なもの・故郷「わたしのゲドゥルリーヒは……」など貴族語で話し始めるようになります。大丈夫、すぐです。あと「冬」「冬の到来」という単語に反応される方もいます。雪が降って大地が白くなると、エーヴィリーべ(ヤンデレ)の季節……。まぁわたしはそれより「大変結構」の方が重症なんですが。

読み終えて同志になるか、長さに耐えかねてリタイアするかは人によりますが、なんでしょう……本好きのファンの方って、こう、熱心というか情熱的というか、自分でも紙を作ってみたり、作中ででてきたお菓子や髪飾りを作ってみたり、コスプレをしてみたり……。二次創作も活発で、他ジャンルと比べても不思議なコンテンツだと思います。しみじみと。 ただ、そういうファンの方々を含めて素敵なコンテンツだと感じています。リアルタイムで見られたのは本当に幸運だなぁ。神に祈りを!

それではまた、時の女神 ドレッファングーアの糸が重なるときにお会いしましょう。

印刷博物館×本好きコラボマップと、ふぁんぶっく

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