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その出会いは弦の音により

皆さま、こんにちは!

近ごろはぐっと寒くなりましたねぇ。風邪など召されませんように。

はい、ところで。

次回は某ゲームの話をしますなどと言っていたな。あれは嘘だ。

……すみませんふざけました。

某ゲームはスマブラDLC参戦で再び沸いているアレですが……アレもアニメの方が年末に特番がありますからね。

盛り上がりのタイミング的に、その前に話をしようかと思います。

どの話題にも「時期」というものがございますゆえ。

さてさてさて。

そんなこんなで今回の話題はNHKのアニメ「ツルネー風舞高校弓道部ー」です。

こちらはですね、綾野ことこ先生の同名小説を原作としており――と言いますか、大賞は「必ず」アニメ化するという『京都アニメーション大賞』第7回小説部門審査員特別賞受賞作品なのだそう。

原作は未読なのですが、読みたいですね。

でも、とりあえずはアニメを見終わってからかな。わたしは原作を先に読むと映像化作品を観るのが難しくなるタイプなので、この順番で出会えたのは幸運でした。

アニメは現在7話が終わり、本日12/9(日)の夜中24:10~に放送される第8回にて主人公らが試合に出ます! まさに観るなら今!(なんかいつも言っている気がする)

ちなみに、関西は少し遅れての放送になっておりますのでお気をつけて。

観てない方向けに、とりあえずの前提知識として「これさえ押さえればなんとなく分かる!」ポイント紹介。あとは公式サイトを見てね。

まずはここから! 主人公の鳴宮湊、でこっぱちの初々しい高校一年生! 黒髪に若葉色の瞳が特徴。母親を交通事故で亡くし、自身も腹に傷跡が残る。早気(はやけ)と呼ばれる射癖により一時期は弓道から離れていた。

二番手は湊のヤバい幼馴染、竹早静弥! 眼鏡で青い髪ならこいつ。でも弓道してるときはコンタクト。首席で高校入学を果たす秀才で、湊のセコム。過保護なのでわざわざ湊と同じ高校に進学した。風舞弓道部の部長。

お次は湊&静弥の昔馴染みの山之内遼平。黄色の高身長ぴゅあボーイ。なにをどうしたらこう育つのか分からない純真さ。風舞弓道部では初心者枠。湊に憧れて弓道を始める。

四番手は熱い心を秘めた強面少年、小野木海斗。暗めの赤い髪が特徴で、コミュニケーション方法は基本的に「威嚇」一択。いわゆる作品のツン成分。良くも悪くも幼い性格なので、成長が見込まれる。

最後は小野木海斗のいとこで彼を「かっちゃん」と呼ぶツワモノ、如月七緒。ピンク色の髪にたいていいつもパーカーを着ている。大変おモテになる。精神的にはおそらく一番大人びており、「メッハー」なる、どこぞの国の挨拶を省略した謎の言葉を作り広げている。

~番外編~

①トミー先生。本名とかもういいよね。後で覚えて。廃部だか休部状態だった風舞弓道部を復活させ顧問となった、ちょっと古い言葉や英語を交えて話すチャーミングなおじいちゃん先生。彼の目はなんでも見通すと言われても信じそう。でも意味深なだけで実はなんにも考えてないとかでもいい。

②マサさん。本名は後で覚えてパート2。深い青色の長めだった髪を何話だったかで断髪した。作品の色気担当であると同時に親父枠。まだまだ若いし実際まだ青いところも多いんだけれども、なんだかオヤジ臭い。

③扱いが不憫な女子部員たち。ほとんどいるだけ。可愛いキャラデザなのに……

④藤原愁。アッシュブラウンのウェーブがかった髪が気品漂う。弓道の強豪校である桐先高校に通う。湊や静弥とは中学の頃のチームメイトだった。

はい、こんな感じです!

キャラ相関さえ掴めればだいたいなんとかなる!(持論)

7話まで観た感想としては、非常に丁寧に弓道を描いてくれているということが第一に挙がります。特に1話がヤバかった。あれでもう……うん、もうね、鷲掴みよ。

マイナースポーツだけども言葉でくどくど説明が入りまくらないのが好印象。見ているだけでなんとなく伝わるのが映像のいいところ。

ギリ粉や筆粉が背景に溶け込みながらきちんと描かれていること、中仕掛け(なかじかけ※弦にある矢をつがえるための場所)を作るのを序盤に入れてくれたことに感動する……あと、「他校で斜面(※斜面打ち起こしのこと。後述)の子とか出てこないかなー」って言ってたら本当に出てきた! これは嬉しい!

※の、「斜面打ち起こし」――弓道の打ち起こしの方法には大きく分けて2つあって、斜面はそのうちのひとつです。矢をつがえた後に、斜めにぐっと弓を押し出す動作をしてから弓を持ち上げます(この持ち上げる動作が「打ち起こし」です)。

もうひとつは「正面打ち起こし」で、主人公たちはこちら。一般的なのもこちらです。名前の通り、体の正面で打ち起こします。

斜面は正面よりも全体的にスピーディーで、少し荒っぽい印象に見えがちですが、先述した動作以外にも結構違うところがあって、それがいちいち躍動感があるというか、カッコいいんですよ。

あとね、どうしても言いたいことがあって。

あんな立派な弓道場があるのに……廃部状態……だと……?(舐めてるのか?)(あらいけない、つい本音が)

こればっかりはね、たぶん地方差かなって思う他ないんですが。

モデルになってる長野とか奈良とかは、きっと弓道が盛んで、学校にも結構普通に弓道場あるんじゃないかなぁ。想像だけど。

風舞高校弓道部が経験者で固められて、どことなく「一見さんお断り」な雰囲気があるのも、中学に弓道部があったり、道場が身近にあるってことでしょうし。地域によっては経験者なんてガチの希少人種だからね。

話のスピード的にも経験者でまとめるのはアリ。完全な初心者がいるとやっぱり説明回がある程度必要になってくるし、試合までが長くなっちゃうので。

あと「弓引き」って言葉。

初耳なんだけど……これも地方差……?

初期の頃、かっちゃん(※あまりに七緒氏がこう呼ぶのでわたしがこのアニメで最初に覚えた名前は「かっちゃん」だった)が「弓引き」連呼するところ、ひたすらいたたまれない。

たぶん、すごい「頑張っちゃってる」感がそう感じさせるんだと思うんだけど、「射手」じゃダメなんだろうか。ダメなんだろうな。

なんと言うかニュアンスだけど、あの言い方から考えるに、「弓引き」は単純に弓を引く人という意味からさらに一歩踏み込んだ、職人気質というか誇りみたいなものが感じられて。それをぺーぺーの高校生なりたての青臭い十代の小僧が粋がって言ってるから……きみにもその言葉はまだ早いよ……って感じてしまう……(※かっちゃんが嫌いなわけでは決してない)

しかしその粋がり方も、まさしく青春なのです。

この作品の「もがく、青春」は、いいキャッチコピーですよね。

主人公の苦しむ「早気」ですが、ちょろっとだけでも弓道かじっていた人間から言わせてもらうと、弓道高校生の8割方は早気に悩んでたと思います。

まぁ流石にちょっと盛ってるかもしれませんが、軽度も含めた早気の経験がある人ならそのくらいになるんじゃないかなっていう所感です。

ただ……確かに、湊の早気は重度に入るでしょう。それでも一番酷い段階ではないけれど……

見るところ彼はきれいな射をする人なので、ショックも大きかったと思います。

そうやって早気で中らなくなって――あたる、というのは「中る」と書きます――辞めていく人も、いるでしょう。弓道が盛んな土地ならなおさら。

でも、個人的には早気って結構身近なもので、風邪みたいに誰でもかかり得るものみたいなものだったので、アニメの「不治の病」「超難病」「かかったら弓は辞めろ」みたいな扱いはちょっと……

確かに一度なったらいつ再発するか分からないのでドッキドキですけど、湊の早気は絶望的なほどまでには悪くない。

むしろ治すために射型を崩しちゃったり、変な射癖がついちゃう方が問題なんですよ。

お前のことだ、小野木海斗。弓返りのために射をいじるんじゃない。

そういう点ではね、マサさんが良いこと言うんですよ~~~~!

ただ彼も指導者としては初心者であって、まだまだ未熟っていうのもそこかしこで感じるし、彼の師匠はきっとこういう人だったんだろうなぁっていうのが彼の指導からなんとなく透けて見えてくるものがあって、なんていうか「すごい」。

何気なさすぎて、改めて考えをまとめなおしたりしなければ一場面として通り過ぎていってしまうだろうシーンがいくつあったことか!

とんでもないアニメですね。

余談ですが、OP曲の「Naru」が好きです。

ラックライフというバンドの曲で、内容とも絡めた歌詞が、こう、ぐわっと心を攫っていきましたね。「放て」が冒頭に来て、その後の「胸の深くまで」がスッと入ってくる。

放て、叫べ、のあたりの声が少し掠れているような、「がなり声」みたいなのが、ほんの少しだけ混ざっているのが本当に好きで。

苦しくて、流されるしかない中でも、「それでも」と、もがく姿のように感じるからかもしれません。胸が痛んで、ちょっと泣けてくるんですよ。

またまた長くなってしまいましたが、気になった方はぜひ「ツルネ」観てみてくださいませ。弓道の描写だけでも一見の価値ありですので!

あ、各話の走るシーンは必見です。動きが大変おもしろいので――って、Blu-rayとかでは修正されちゃうのかな。どうなんだろう。

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