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何者にだって、なれる。

こんばんは。最近、アイスが美味しいです。

話題になったかじるバターアイス、買ったんですけど食べる機会を失しているんですよね。ホットケーキでも焼いて乗っけて食べたいです。

さて、「アイドリッシュセブン」感想も後編、ついに最終回です。

今回は使われている楽曲語りと、全体の考察について。ここまで長かったかと思いますが、実は最終回が一番長いです(衝撃の事実)。

ご興味のある方はお付き合いくださいませ。


楽曲について

キャッチーで耳に残って、歌いやすい。偏見かもしれませんが、この辺りアイドルソングに必要な項目だと思うんです。

これが揃っていて、かつ、作中時間が経過するごとに曲の難度が上がっているように感じるのも巧い。本当に上がっているのかは専門でないので定かではないのですが、そのように感じます。キャラクターたちが努力してきた時間を体感するシナリオ面と、やっぱりゲームなのでプレイヤーへの難易度設定というギミック的な面が両立しているのが素晴らしいと思います。

若干、平成を通り過ぎて昭和……バブリーな香りが……顔を覗かせているような気もしますが、完全に古臭くはならない、あのバランスが絶妙すぎて唸る。どういう仕組みなんだろう。

○IDOLiSH7

一番好きな曲を選ぶのはすごく迷ってしまって。「Perfection Gimmick」と「RESTART POiNTER」はシナリオの流れも相まって同率一位というか。

曲の完成度はパフェギミが頭ひとつ抜けていて、安定感がありますよね。オシャレでスマート。この系統ばっかりじゃつまらない、けど、これひとつ持ち歌にあるだけでグループの格が上がる。そういう曲だと思います。

聴いても歌っても気持ちがいいメロディが魅力で、特に「今夜の Show を始めよう」「感じてほしい Amazing」「誘うよ」あたりの音程……あぁカラオケに行きたい。また、現役高校生である一織がセンターの曲で「ちょっと大人な」って歌うところがミソです。これを大和がセンターでやってもときめかない。


リスポは、なんていうかもう感涙というか感無量というか、ちょっと言葉にならないですよね……陸が「また新しい夢を見ようよ」って歌うだけでもう泣けるじゃないですか。ひとつの夢が終わっても、また新しい夢がある。それもまた「終わらない夢」の形なんじゃないかなって。伝説になって消えた「変わることのない」過去のアルドルのゼロと、「変わり続ける」ことで消えない虹になり得るかもしれないIDOLiSH7という構図まで見てしまって目頭を抑えましたよ。ジーザス。

あと「向き合うべき相手は 瞳に映らない」っていう歌詞が好きなんですよね。限られた言葉で何をどう表現するか。歌詞のそれは小説よりシビアです。その中で、シンプルに「自分と向き合わなければならない(=瞳に映らないのは自分)」としてもいいところを、敢えてこう表現するところが素敵だなって。振り付けは相手と目線を合わせてるんですけど、これはこれでいいんですよね。相手の瞳には自分が映っていて、それは、誰かを通して自己を知る、という行為を端的に表しているように思えます。まさしくIDOLiSH7の絆がほぼ完成した、その象徴となるような曲です。


ちょっと話が変わるんですが、ステージ演出で一番好きなのは「MEMORiES MELODiES」です。アニメ二期2話「揺れる気持ち」のライブでは明暗の使い分けがそれはもう素晴らしくて、影になったシルエットが美しいんです。このあたり、演出にお金がかけられるようになったんだなぁというのもしみじみ感じられて、名実共に人気アイドルになった感慨深さがあります。

○MEZZO“

普段聴かない曲調なんですけど結構好きです。サビの盛り上がり方が好みなのかも? ストーリー性が高いからかな?

ところで「miss you…」で環が「初めての痛みはなんだろう」と歌うところずるくないですか? 高校生にこんなん歌われたらそらダメでしょうよ。いくらガタイがよくて抱かれたい男5位にランクインしてようが、もう、ダメでしょうよ!!!(落ち着けよ…)


また、「雨」は最初、出だしの「予想なんてできないものがある それは恋の雨」で爆笑してしまったのですが、サビが、めっっっ……ちゃ、いいですよね。「もう二度と太陽の光さえ浴びなくていいと思えるほど」とか熱烈すぎて。もしもわたしが雨なら蒸発する。今ではお気に入りの一曲です。


それから逢坂壮五が初めて作った曲「Monologue Note」もすごく好き。

完成版となった「Forever Note」よりこっちが好みです。早く、早く、と急かされるような疾走感があって、切実で、危うくて。Forever〜では環の声が加わることでアップテンポに叫ぶような曲なのに落ち着いたMEZZO“らしさが出たので、世に出るのはそちらなのは納得なのですが。


あと、地味にソロ曲で好きなのが環の「Four Leaf Ling」と、壮五の「Maybe」で……いやもう歌詞が、歌詞がずるくないですか……?

○TRIGGER

個人的には情報量の多い曲調が好きなので「Heavenly Visitor」「In the meantime」「My Precious Warld」あたりが好みです。サビは「バラツユ」なんかも好き。TRIGGERに撃ち抜かれたのは一期のEDのHeavenly〜でした。あれは王者だと理解させられる。なにより九条天のカリスマが凄まじすぎる。


歌詞とかじっくり聞くと意外と王道のアイドルソングっぽいというか、全てを雰囲気と顔面でカバーしてくる感じで、強い。

曲調がダークでシックで大人っぽく挑発的な割に歌詞の量自体は余裕を持たせていて、忙しない感じは全くないですよね。これが貫禄か……

改めて聞き返すと「SECRET NIGHT」しかり「Leopard Eyes」しかり、序盤の「これぞTRIGGER」って曲もめっちゃカッコいい。


そうやって方向性がカッチリしている中、シナリオも相まって印象的なのは十龍之介が一人で歌う「願いはShine On The Sea」ですね。

衣装は「それでShine On The Seaって名乗る気なの?」って聞きたくなりましたけど。ちょっと不思議の国のアリスかなって思いませんでした? もし同志がいたらこっそり教えて欲しいです。


あと、事務所から独立した後も新曲発表してるっぽいけど、あれは誰が作ってどこに権利があるものなんだろう。八乙女パパが許可してくれたのは既存曲だけだもんな。謎だ。

○Re:vale

「SILVER SKY」を始め、割と好きなの多いです。

アニメ二期EDの「ミライノーツを奏でて」も素敵だったー! 映像も含めての完成度の高さよ。背中を向けてシャツがひらひらするところが好きすぎる。


他には「Re-raise」とか。あれ、めっちゃオシャレだよね。あとはここに含めていいか微妙だけど「Dis one.」「未完成な僕ら」も好き。

千が「未完成な僕ら」をできることならずっといじってたいと言ったのが印象深くて。

……千はねぇ、あれはもうギフトというか、そういう風にしか生きられない、神様に愛され才能を与えられた、歌うように運命づけられたひとなんですよね。神様の愛情って呪いと紙一重ですけどね。それが幸か不幸かは、千が決めることですけれども。


あとは「太陽のEsperanza」がね、歌詞もうそのままやんけ! と、ちょっと笑いました。それ言うならリライズもだけど(トラストミーのとこ)。とある方面に全力で喧嘩を売る、そんなRe:valeが好きだよ……


〇シャッフルユニット

お分かりかもしれませんが「LOVE&GAME」が一番好きです。一番昭和かな? と思うのもこの曲なんですが……間に挟まる音がバブリーすぎる……でも完全にそうではないのは「Hey girl, 座ってもいい Next to you」のあたりの歌い方が今風に感じるのかも。音を繋げるというか被せる感じ。歌詞の内容はどうしようもなくバブリーですけど。

それからファンに刺される覚悟を決めて発言するのですが「答えはDestiny」の部分、最初に聞いた時、吹き出しちゃったんですよ。もうダメ。キメキメなのがもう逆にダメ。言いたいことは分かるし、下手に日本語にしたらもっと面白いことになっちゃうからこの形で正解なんだけど。


本来なら「男子タルモノ!〜MATSURI〜」の方がおもしろ枠(これはこれで殴られそう)のはずなのに、なんというか、全てを八乙女楽が持っていっている上に彼の本質がどっちかって言うとこの曲にハマるので却って笑えないんですよね。一言で表現するなら「ファンを置き去りに楽しむ八乙女楽」。おかしいな、比率で言えばIDOLiSH7の配合率の方が高いはずなのにな。

衣装は「フレフレ!青春讃歌」が好きです。かわいい。

○ŹOOĻ

全体的に元々好きな系統に近い曲調ですね。カッコいい。ただ背後に流れるテンポが規則的で印象ほど破天荒じゃないのがおもしろい。たぶん彼らの叛逆が軽薄にならないよう、威圧的な重厚感を持たせるような工夫なんじゃないかと思います。


「Poisonous Gangster」「ZONE OF OVERLAP」「Bang!Bang!Bang!」は、どれもメッセージ性の強い歌詞を使おうみたいな意思はあんまりない気がするんですが、聞き取れる箇所はスッと心へ切り込んでくる。凶暴で、刹那的で、それでいて切実。

ZONE〜の「オレを試せ」とか、Bang!の「抗えよ 柄じゃないなら 脱ぎ捨ててやれ」とか、いいですよね。歌詞見るとまさにŹOOĻの子たちそのままって感じ。


そうやってほのぼのしていたら、トウマのソロ曲「Endless」に度肝抜かれたんですけど。え、上手くない? 歌手か? ちょっと韓国アイドルっぽくない? よく知らんけど。えーーーーーー……歌、お上手ですね……


考察じみた何か

一、名前の謎

怪物だの魔王だのツクモだのノアの方舟だのと、3部あたりから急に神話が絡んできそうな雰囲気になってきて、身構えています。

種村有菜が関わっているので神話系オチには敏感にならざるを得ません。

せめて洋風なのか和風なのかハッキリしてくれ。


例えば、ツクモプロダクションの月雲了。付喪神から音をとって当て字をした形ですね。

十龍之介が神様ぶった月雲了に対し、海(の神)の残酷さや人間の強さを説く場面がありますが、こういった細かい部分で了は疑似的な神であることが示され、3部4部では神の特性でもある「理不尽」や「無理解」の象徴として描かれます。


そして、神とくると途端に臭くなるのが小鳥遊プロダクションの敏腕事務員・大神万里、なんですよね……


大神、一般的に天照のことを指しますので、付喪神と比べるのも烏滸がましいほど格上で、日本神話でも最上位と言ってもいい位置に座す神です。しかも名前が万里。数字がついているキャラの中で一番大きい数なんですよ。臭すぎる……けど、臭すぎて一周回って何にもない気もする。

名前を深読みさえしなければ、彼の情報はもう出揃っていると思うんですよね。

とりあえず勘に従って万里さんはシロ。


おそらく作中における神話関係の意味づけってそこまで重要ではないはずなんです。どちらかと言うとフレーバーテキストチックな。なので、神話から一旦離れて、字面からも考えてみましょう。


芸能界の二大勢力として描かれる月雲と星影。

星の光が落とす影は芸能人(スター)がいることによって生じる闇を意味すると考えられます。つまり、まぁ、千葉サロンです。

月を隠す雲は光を遮るので、業界への暗雲をもたらす了という存在を示唆するのか、タレントを使い潰す(=光を失わせる)プロダクションの方針を表現しているのか。ダブルミーニングかも。でも、これ以上の意味もない気がしますね。


もう少し別の視点を取り入れてみましょう。

――IDOLiSH7といえば?


そう、アイドルたちの名前の数字です。多少無理してでも入れていたのに3部では数字のついていないアイドル・ŹOOĻが現れました。彼らは一体何を負ったキャラクターなのでしょうか?

彼らの名前には、亥(イノシシ)、狗(イヌ)、巳(ヘビ)、虎(トラ)と、それぞれ十二支が入っています。一番そのイメージを引きずってデザインされているのが棗で、彼は性格もヘビっぽい=執念深い感じになっていますね。

でも、四人なのになぜ十二支なのか? 理由は判然としません。ŹOOĻが出てくる前のアイドルたちの数が十二だったこと、十二という数字は時計や暦を想起させるため、四季や時間を意味しているのではないかと推測できますが、明言できるほどの根拠がありません。

悠という字も時間に関係するので思わせぶりですけど、四人全員には共通しませんし。

また、ハル(カ)、ナツ(メ)、フユ(トウマの「トウ」を冬とする)で四季も有力視していたのですが、アキがどうしても見つからなかったのでこの説は諦めました。


ここまで考えて何なんですが、名前、そんなに深い意味はなかったのかもしれない。

単純に動物縛りとか(小鳥遊、鷹匡、姉鷺、龍之介……鳥というか空飛ぶ生き物縛り?)。

二、消えない虹とは

作中では「消えない虹」「終わらない(醒めない)夢」などと表現されるそれは、「奇跡」「伝説」「永遠」の言い換えです。いわゆる「青い薔薇」のような。これは同時にアイドルそのものを指します(余談ですが、モロでゼロ世代だったと思しき姉鷺さんがアイドルに求めるものが「終わらないこと」なの、嚙み切れないけど美味しいお肉を食べているような心地になる)。

また、類すると思しきものは「オーロラ」ですが、作中で伝説となって消えた(姿を消すことで伝説=永遠となった)ゼロが見たいと言っていたことが明かされています。


虹、夢、オーロラ。全てに共通するのは「永続性のなさ」つまり「儚さ」です(作中では「桜」や「蝶」にも同様の意味を付与しているように感じます)。本来なら続くはずのないものを永遠とする奇跡を、アイドリッシュセブンという作品ではアイドルに求めていることになります。

この作品では、一瞬、一瞬、新しい夢を見続けることで瞬間を更新し、永遠にする。そうすることで「消えない虹」になろうとしているのかもしれません。

三、ゼロは誰か?

我ながら随分けったいだと思うのですが、候補は二人います。自信は全くありません。


  ・小鳥遊結(マネージャーの母)

  ・九条鷹匡(二重人格説)


上から検証していきますね。

まず、ゼロは十五年前、三年間活動していたアイドルです。この時代、まだ若手弱小事務所は台頭していなかったと思われます。つまりゼロはツクモか星影に所属していたはずで、かつ、星影は俳優寄りの事務所であるため、アイドルのゼロはツクモの所属であった可能性が高くなります。

そしてその当時のツクモには、結、音晴、八乙女パパが勤めていたと推測されます。桜春樹が音晴を褒めていたと証言するナギの言葉から、彼らにもどこかで交流があったはず(音晴、春樹、鷹匡の喋り方の印象が非常に似ているのも気にかかります)。

そこから年齢的な推測にはなりますが、ゼロのメインスタッフには九条氏や桜春樹がついていて、若手だった彼らはその下でサポートをしていたのかもしれません。

マネージャーの年齢からして、結がゼロだとしたら、出産後すぐに活動していたとすれば辛うじて辻褄は合います(ガチで産後すぐっぽいのでなぜそんな時にデビューをとは思いますが)。そして亡くなったとすれば、どうしてゼロがステージを去らねばらなかったのかも説明可能です。


続いて、下の仮説です。

ゼロアリーナ総支配人の証言から、ゼロ最後のライブで精神科へ入院患者が運び込まれたことが判明しています。おそらくこれは九条鷹匡です。二重人格かどうかは置いておいたとしても、ほぼ確定と考えています。

彼の言動は非常に不安定で危うい。天がカウンセリングのように接しているから保っているのであって、彼は今も通院どころか入院していて欲しいくらいの状態なのではないかと思います。

そしてそこでちょっと大胆な予想になるのですが、九条氏はもともと二重人格で、ゼロとホークを行き来していたのではないか、というのがこの仮説です。

これは回想で桜春樹が九条に話しかけた時に感じた違和感や、以前は天真爛漫で人好きのするちょっとドジな性格であったらしいこと、ゼロは陸に似ているということ、こけら落とし前ゼロに扮して世間を騒がせていた件を根拠としています。衣装や踊りはともかく、歌は流石に別人だったらバレると思うんですよね。

彼はゼロに扮して世間を騒がせていたので少なくとも技術はゼロと同等かそれ以上を所持しているわけなので、不足はありません。

九条鷹匡は、今の陸のように、大きくなりすぎた好意を受け止めきれず、あるいは行き過ぎた好意に生活がままならなくなり病んだかして、崩壊したゼロとしての意識を、ゼロが居なくなった、裏切ったと言っているのではないでしょうか。


うーーーーん、考えたから言ってはみたけど、99%以上はこの二つ以外がゼロの正体でしょうね!(誰でも言える)



最後は迷宮入りしてしまいましたが、以上、感想でした!

5部の配信も楽しみにしています。3部であれだけ騒いでいた「怪物」問題が4部で鳴りを潜めていたので、そこのところどうなるんでしょうね。たぶんそろそろ理のデビューと九条氏の精神状態と怪物問題と一織の失敗が来ると思うのですが。

ぼちぼちレベル上げして待ってます。

それではまた次回、何かの記事で!

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