怒ってる顔も可愛いとか最強かよ
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
昨年末の宣言通り、積読を崩しました! 正月なのに充実してた〜!
これを機に今年は有言実行を目標にしますwww
そして、年明け早々、新しい漫画にハマりました。
先が読みたくて読みたくて身悶えています。4巻が待ち遠しいよぅ…
『平野と鍵浦』/春園ショウ
<あらすじ>男子校に通う鍵浦はバスケ部の活動に専念するため自宅ではなく学生寮に住んでいる。ルームメイトはひとつ上の先輩・平野。平野は金髪ピアスで一見すると怖そうだけれど、本当は面倒見がよくてとても優しい人だった。
――――俺、平野さんのこと、好き……かも。
――――かもじゃない。好き。誰にも取られたくないくらい、好き。
『佐々木と宮野』スピンオフが連載・単行本化した作品。
同作者シリーズ『佐々木と宮野』でご存じの方も多いかもしれませんね。
BL漫画です。
はい、苦手な人は今のうちにお逃げになって。
はいはい今のうちですよぉ〜!
ただね、この作品BLはBLでもボーイズライフと銘打っていまして、これがどういうことかと言うと、めちゃくちゃ健全です。ピュアピュアで、ほぼ少女漫画です。
いやいっそ少女漫画の方が健全じゃないわ。最近の結構過激なのも多いよね……いや、最近だけじゃなかったね……
とにかく、恋愛を真正面から真剣に、本当に真摯に描いていた作品です。
登場人物たちの恋愛観がめちゃくちゃしっかりしているおかげで安心して青春のもだもだに酔うことができます。
読んでると「こんな恋がしたい」と思える作品です。少女漫画でもそんなこと思ったことないのに(ヒント:わたしの好きな作品は大体、少女漫画だろうと何かと戦っている)
作品の好きなところは色々あるんですが、
まず、春園先生の絵がものすごい好みなんですよ……!!!
カラーも好き……
水彩みたいで世界観にめっちゃ合ってて、かつ、印象に残る目を惹く魅力がある。
線画だけでも端々に拘り(主に骨格)も感じられて。
『佐々木と宮野』は基本的に4コマみたいな構成なので背景とかも少なめで、割とコントのノリで色々出来ちゃうのが強みだったんですけど、個人的には4コマ構成じゃない『平野と鍵浦』の方がエモーショナルで好きですね。
ノベルの方も気になっているのですが、今のところ履修は以下の通り。
・『佐々木と宮野』①〜⑨
・『平野と鍵浦』①〜③
・ アニメ『佐々木と宮野』
(佐々木と宮野の漫画自体は学生時代から多少読んでいたとはいえ)およそ1週間でこれだけ網羅してるの、すでに狂いすぎてて笑う。
叫びの吐き出しどころがないので、ここで好きなところだけを好きなように叫びます。
ムンクもびっくりの叫びっぷりを楽しめる方だけ、どうぞお進みください。
平野(左)鍵浦(右)
男子描くこと少なすぎてあんまり似なかった
「世間一般では それはのろけって言うんだ」
それでは大まかに巻ごとに時系列に沿っていきたいと思います。
記念すべき第1巻は、鍵浦1年生・平野2年生の10月〜12月+αの時間軸。恋模様はまだまだ淡く幼い雰囲気で、気安い先輩後輩としての二人が描かれます。
いや、すでにだいぶ距離感おかしいけど……というか、第1話の時点で鍵浦視点の平野さんがめちゃくちゃに可愛いんですが!!? 昨今は新妻でもこんなに可愛くないよ???
あんたクラスでそんな無邪気に笑わないじゃんこっちは『佐々木と宮野』読んでるから知ってるんだからね!!??の気持ちになる。
平野さん、思いがけず素直な後輩に懐かれて可愛く思えてるんだろうな……いくらベビーフェイスでもそいつ身長180cm以上あるよ……
そもそも平野さん世話焼きだし、潜在的に相手を甘やかしたい欲があったんでしょう。元ルームメイトの一ノ瀬青さんのことも気にかけていたし。でも理由がないと流石にできないから、同級生〜年上より理由が立ちやすい年下で、世話を焼かれることを喜び受け入れる素直さを持ち、応援したいと思わせるほど真摯に打ち込むこと(バスケ)がある鍵くんは最適解だったんでしょうねぇ。
続く第2話も良き!
鍵くんの平野さん大好き大型犬!の部分ではなく、スポーツマンとしての一面が描かれる話で、彼が案外思い詰める性質だということもここで分かります。鍵くんはこの話でグッと奥行きが出ましたね。
第3話は平野さんの認識のバグが少し晒された回というか……クラスメイトで寮長でもある半澤さんの苦労が垣間見えた回というか……平野さん、実は天然だな? 属性過多か???
第4話は鍵くんお誕生日(前段)回。初っ端から平野さんが笑かしてくる。いやスケジュール帳主張しすぎ。平野さん真面目で面白くて喧嘩強くて頭が良くてカッコ可愛い美人とか盛りすぎだよ。
そして「このあと(バスケ観戦)行きませんか」のお誘い! このっ、いつもタメ口なのにここで敬語使うとか、マジであざとい! でも許す! なぜなら世界平和-Love&Peace-だから!!!
「悪いことなんてない」
いや2巻の表紙が神。概念「青」じゃん。
※概念「青」とは……森戸が青色に対して抱いている印象全てを包括したもの。青色に対する概念的なもの(未熟、苦々しさ、清々しさ、冷たさ、悲しみ等)。
あと、個人的に鍵くんのお友達の新橋くんが結構好きなキャラクター。言葉がまっすぐ、はっきりしているだけで相手を傷つけることはしないし、むしろ嫌なことでも言わなきゃいけないことは言うので上部だけの関係で終わるのでなく相手のことを大切にしていることが分かる。つまり、とてもいい子。
第5話クリスマス回は今後の物語のための準備が着々と進んでいったこともあり、やや大人しめだったけれど、第6話で急展開を迎えます。
ここの見どころはやっぱり無言のシーン、二人の表情が大きく描かれるシーンですね。
ここで、おままごとのような優しくも幼かった鍵くんの「好き」が、一気に塗り変わる。恋に欲を伴った瞬間をこんなにも鮮やかに描くことができるのかと、思わず息を飲んでしまいます。
そして何よりこのシーンの平野さんの伏し目の艶かしさよ!
鍵くんの驚きと理解に至る羞恥の表情も素晴らしい。
少女漫画といえば(少女漫画といえば?)情感たっぷりのモノローグですが、『平野と鍵浦』は言葉の選び方も素敵なんですよね。情緒的なのに冗長でなく効果的に、それでいてインパクトがあって。一方で必要な時には惜しむことなく言葉を重ねる。この辺りの感性とイラストのマッチがあってこその作品だとしみじみ思います。
第7話は膝枕回ですが……ここまでくると平野大河いっそ邪悪だな……無邪気すぎていっそ邪悪……
第8話は怒れる平野がたくさん出演します。普通に怖い。そして悩める青少年である鍵くんは本当に苦しそうで、痛ましい。第2話の思い詰める性質が悪い方向に出た(新橋くん側にいてくれてありがとう……)、恋することの苦しみが詰まった回でした。
第9話の平野大河もやはり邪悪。いきなり可愛い顔で出てこないで。でも好き……鍵くんもそんな平野さんのことがきっと好きだよ……
第10話「都合よく聞こえる〜〜…!」のコミカルさ、めっちゃ好き。そこからの「…まだ好きだよ」の落差よ。この回は主に悩める平野さん。あなた、こんなにずっと鍵くんのこと考えてたの。ささみゃー本編じゃそんな素振り見せなかったじゃん、このポーカーフェイスがよぉ……!
書き下ろしの「耳に触れる」いや最高だが??? あどけない平野大河、鍵くんのピアスをつける手つき、表情、このページ数に詰めていい情報量じゃなくない???
「あの人 お前のこと手放したくないんだな」
3巻の表紙は珍しく特定のシーンを連想させる構図ですね。瑞々しい若葉の落とす陰が美しいです。
怒れる平野のクソデカ「うるせーーーーーな」が、もしかしたらどのシーンより好きかもしれない第11話。この台詞、もう少し噛み砕くと「俺と鍵くんのことに外野がごちゃごちゃうっせーな余計なお世話だ黙ってろ」ってことだと思うんですよね。主観と客観がズレていて、自分の気持ちを悪意でなく善意によって勝手に慮られることに怒りを抱える。……なんか平野大河、告白断ったはずなのに慈愛とそこはかとない色気に満ちていて本当に鍵くんのこと好きじゃないの???ってなってる(それはずっとだよ)
そして来たるはーーみんな大好き第12話!
窓から飛び出すシーンの見開き、素晴らしいですよね。いっつも無気力無感動な佐々木の驚き様も印象的です。そして。
い、いつの間に平野視点の鍵浦こんなにキラキラしてたの……!?
バスケ時のちょっとS味の強い鍵浦もかっこいいですが、着目すべきはそれに対する平野の表情だと思います。
鍵浦が、強気、あるいは真剣な発言をした時、平野はいつも目を見張って、それから微笑む。そう。微笑む。赤面したりしないのがいいよね。
余談ですが、恋をすることは死に近づくことに似ているそう。好きな人を見つけた時(というか対象がなんであれ興奮した時)、そして死に至る時、瞳孔が開くことからそういう話ができたとか。なるほど漫画表現で瞳がキラキラしているのは、あれ、瞳孔が開いているんですねぇ。…………ねぇ、平野さん? 日差しが眩しいんじゃないんですよ。
どうしよう。ここから先の鍵くんずっとキラキラしてるんだけど。ねぇ。お互い相手に「おかえり」って迎えてもらうのすごい好きじゃん。もはやお似合い以外の言葉がないよ。これで片方無自覚なの……?
鍵浦めちゃモテバレンタイン第14話にして初めて平野さんの前ルームメイト一ノ瀬さん現る。なかなか癖の強い御仁だな……
第15話、かっ飛ばしたな!?!?!?!? 常人には出ない発想だが……??? ささみゃーの後で平野と鍵浦ファンアートや感想見た時は集団幻覚かと思ったわ。いやもう公式が最大手とはこのことか……
「会えるか」
…………お気づきかもしれませんが、わたし元々は『佐々木と宮野』しか買ってなかったんです。
そこでの平野さんといえば「金髪ピアスだけど基本真面目な優等生で喧嘩が強い(らしい)、頼りになる先輩」「ささみゃーに度々巻き込まれる苦労人」くらいのイメージだったんです(ちなみに、ささみゃー本編では主役二人の他に暮沢くんと田代くんが好き。めっちゃいいやつ)。
なのに9巻が。ささみゃー9巻にちょびっとだけ出てくる大学生平野大河が。
もう何があったの!!!??ってくらい美人で。自然と目を惹く存在感が、絵の納得感がすごい。去り際の後ろ姿のシルエットに凄まじい拘りを感じましたよ。最初、指輪は気づかなかったけども。
ん、指輪???
左手の薬指に、指輪??????
は…………?
いや、もう気になりすぎるでしょうよそれは。そこまで描かなきゃ嘘でしょ。真相が明らかになるまでついていきますけど???
書き下ろしの「息抜き」も最高だったけど情報が増えただけ謎も増えたのですが???
巻頭カラーでも付き合っているささみゃー差し置いて触れ合ってるんだが距離感どうなってんの???
もう、とにかく鍵くん報われてほしい……
あと皆さんの感想を見ていたところアニメ8話になんかあるとのことだったので見返していたら、半澤先輩の恋愛教室で宮野が色々と考えるシーンでサラッと他のカップルに平野と鍵浦紛れてて笑いました。3組のカップルの先陣切ってるじゃん。
ところで、この3組(①小笠原と彼女、②暮沢と彼女、③平野と鍵浦)3組中2組の彼女が腐女子なんですけどサンプリング偏りすぎでは? と言うかアニメささみゃーしか知らない人から見たら急に平野先輩が今まで姿もなかった謎の男子生徒に名前を呼ばれているだけのシーンになってしまっているんだがwww このシーンの平野さん、しっかり制服着ているのもあって外で遊ぶヤンチャな生徒を廊下から優しく見守るお淑やかな人みたいになっていてそれも面白い。この人喧嘩めちゃ強なんですけどね。
最後に、
はい! と言うことで!
思う存分、叫び倒してやりました〜〜!!!
もうずっとオムファタル平野の邪悪について叫んでいた気がしますね。
だけど、平野の距離感って一人っ子の距離感だよなぁと妙な親近感があったり、年下・後輩というだけで無条件に甘やかしてしまうのも覚えがあったり……他の兄弟のいるキャラクターのある種のドライさ(勝手にやるだろと思っているので放っておく)もリアリティがあってすごい!と読み返すたびに思います。
もうね、今から4巻が楽しみでっす!!!!
映画もうちょい近くで上映してくれないかな〜行けたら行く! できれば行く!!
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