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月が見ていた物語

  • 50 分前
  • 読了時間: 14分

め……っちゃくちゃ久しぶりに書きます。

そして創作強化月間を開催し忘れていたことに気づきました。猛省。

昨年の今頃に制作していた「白鳥慧は~」はシナリオが9割完成したので、あとは謎解きギミックをごにょごにょして、完成度を上げたら公開できると思います!

さて、今回はゲームの感想をまとめるために筆を執ったので、前置きはこのくらいにしましょう。


昨年末から今年3月頭にかけてプレイしていたゲームをクリアしました。

その名も『FINAL FANTASY XVI』!


FFと言えばRPG中のRPG、まさに王道といったシリーズですが、なんと森戸は本作が初プレイ!!!

ウッソだろお前……いや待って、あの、言い訳させてください。

学生の頃PSPでFFシリーズのどれだったかをプレイしようとしたことあったんですよ。でも最初のチュートリアル戦闘がわけわからんくて先進めなかったんです!!!!! それ以来FFは鬼門として避けて通っていたんです!!!!!!

そんなわたしがなぜシリーズのいきなり16なんてところから始めようと思ったのか。答えは単純明快。友人に勧められたからです。

実は5年くらい前から勧められていたのですが、その時は『ティアキン(ゼルダの伝説)』、『P4G(ペルソナ)』や『P3R(ペルソナ)』をプレイしていて手が回らなかったんですよね。

確か昨年3月にP3Rをクリアして、P4GとP3Rの2週目をのんびりやるか~と思っていたら、『FGO(Fate/Grand Order)』の2部終章が年末に迫ってきたので、昨年はずっとFGOをやっていた印象です。

FGOの話もいつか書きたいのですが、ちょっと連載にしないと書ききれないからまた今度。










※※ネタバレあり※※















忠告はしましたからね!

以下、ネタバレありです!!!



あらすじ

風の大陸ヴァリスゼア。

原因不明の「黒の一帯」が広がり続ける中、人々はクリスタルの加護を巡って争い続けている。

エーテルが枯渇した黒の一帯ではどんな生き物も生きることはできない。


ヴァリスゼアでは召喚獣をその身に宿す「ドミナント」と呼ばれる者たちがいた。

フェニックスのドミナントを代々排出してきたロザリア公国。

そんなロズフィールド大公家の長男として生まれたクライヴだったが、ついにフェニックスをその身に宿すことはなく、身体の弱い弟ジョシュアがフェニックスのドミナントとなる。クライヴはジョシュアのナイトとして、弟を守護することを誓うが――


裏切りの夜、クライヴはすべてを奪われ、喪った。


そして13年後――

北部部族との和平の証として、かつてロザリアに身を寄せていた少女ジルと思わぬ再会を果たし、謎の男シドの導きで、ふたりはあの夜の真実を知るため、「人が人として生きられる場所」を作るため、戦いに身を投じる。


シナリオについて

ファンが大勢いるシリーズにこう言うのはとても勇気が要るし、勧めてくれた友人の手前あまり言いたくないのですが……微妙だったというのが素直な感想。


まず、情報の伝え方が下手

わたしがFF初心者だったからかもしれないのですが、世界観が分かりづらく、その補完をシナリオではなく図鑑のようなもので行うというのが力技だと感じてしまったのが大きいと思います。

特にキャラクターの行動理念なんかをここで書かれていたのが残念でした。

印象に残っている具体例としては、ベアラーでしょうか。

作中ではクリスタルを使わずに魔法を行使できる人を「ベアラー」と呼ぶのですが、その人たちは奴隷のような扱いをされている(わたしは序盤「この作品では奴隷のことをベアラーと命名したんだな」と思った)のですが、実は奴隷ではないのです。

なら別に奴隷が居るのかと思いきや居ない。奴隷という言葉が存在するのに、奴隷が居ないのです。あの世界に居るのは「奴隷のような扱いを受けているベアラー」だけ。

これがもう不思議でたまらなかったのですが、もうそういうものとして受け入れるしかない。

そして「ベアラーは許容量を超えて魔法を使うと石化して、最終的には死に至る」という超重要情報の開示がクライヴたちに現実を知らしめるという文脈でメインシナリオに組み込まれているのですが、「30歳近くの、しかもベアラー部隊として前線に立たされていたクライヴが知らないわけない、むしろ一番身近で見てきた人だろ(怒)」という謎の方面への怒りが出てきてしまいました。

また、独自の単語が多かったのも、物語を難しくしていたと思います。説明がうまくあれば問題ないのですが……


あとは時間経過の使い方でしょうか。

いや13年後ってなに。純粋に謎。30歳クライヴの胸筋が描きたいという欲望が企画で通ったってこと?

(単に少年少女ではないファンタジーに挑戦したかったということかなと一応は自分を納得させている。でもそれでないと書けないものはなかったと思うし、13年に意味があったのかと言われると分からない)


そして、なんか……よく分からんベッドシーン多くない?

主にバルナバスおじさんなんだけど、FFってサービスシーン(?)ないとダメなんでしょうか?

遭難した海辺でクライヴとジルが裸で背中合わせで焚火してたから笑っちゃったよ。様式美だとしても「濡れたままだと体を壊すから、脱いで」を省略したら、あまりにも唐突でしょうが……

しかも、そのまま流れで入ったシヴァ吸収シーンがやたら神秘的に描かれてるから益々笑いが……いや本人たちは大真面目だって分かっているけど……とりあえず服を着てください。


その一方で、めちゃくちゃ巧い演出もある

神皇国ザンブレクの属領となったロザリアで宿の女将をしているマーサという女性は、きっぷのいい、サバサバした口調の、いかにも下町の女将といった風情の人物なのですが、クライヴたちと初遭遇した後、ひとりになってから「クライヴ様とジル様は本当に生きていたんだね……」と言葉を落とす。

ここが本当にいい。

在りし日のロザリア。美しき、もはやどこにもないロザリア!

クライヴはあの夜にジョシュアを守り切れず、ザンブレクのベアラー兵として酷使されていた。

ジルはシヴァのドミナントとして鉄王国で兵器扱いされていた。

彼ら自身、胸を張れる自分ではない、かつてを知る人物に今の自分を見られたくないと、そう思っていたはずです。その心情や状況を汲んで表向きは他の人々と同じ対応をするけれど、マーサの内心には変わらぬ深い敬愛があると示した。彼女の思慮深さをも窺わせる素晴らしい台詞回し、素晴らしい演出です。

正直、FF16の数あるエピソードの中でも屈指だと思います。

もっと後に「ロザリアの心」と呼ばれた白チョコボ(FF世界の馬)のサブクエがあるのですが、作品を通して不屈の意思誠実さ真心の象徴としてロザリア公国があったのではないでしょうか。


それはそれとして厳しい世界観に突如として発生するご都合主義

いやこの展開でそうはならんやろがーい!



ゲームシステムについて

突然ですが、わたし方向音痴なんです。

―――いやこのゲームめちゃくちゃ迷うんですけど!!!??

特にロストウィング! この崖登ってやろうか!!


こほん。

戦闘システムは、補助系のアイテムとかがそろってて、あんまり困ったことはなかったと思います。

シナリオ戦闘が怠いなとは思いましたが……なんかアクション系のゲームのはずなのにコントローラーを手放して画面を眺めてる時間が結構あるんですよ。大怪獣バトルが勝手に繰り広げられてる。


召喚獣の力は、「フェニックス+ラムウ+他」の形にすることが多かったです。

フェニックスシフトと転生の炎が使い勝手良すぎて……

最後の方は+シヴァでプレイしていました。自然とクライヴにとって思い入れのある人物たちの力を借りる形になって良かったなと思っています。


欲しかった機能としては、走るボタン。

任意のタイミングで走れないのが結構ストレスでした。


実はわたし、ジャンプをほとんど使わなかったんですけど、NPCに話しかけたり、ドアを開けたりするボタンとジャンプが同じボタンで(しかも画面が暗いから目測を誤る)、クライヴが要らんところでぴょんぴょんして面白兄ちゃんになってましたね。

激重シナリオの良い清涼剤になったと思います。


グラフィック云々は好みの問題なので、わたしに言えるのは、画面が暗くてどこが通れる場所なのか分からなくて困ったということだけです。



キャラクターについて

クライヴとジル

正直なところ、クライヴやジルは分からないんです。

主役で、エピソードもたくさんあって、多くの時間を割いて描写されているのに、分かりません。


序盤のクライヴには、ちょっとデリカシーの足りないところがあって。

恐らく自分自身がいっぱいいっぱいすぎてそうなっているだけで本来の彼は正義感と思いやりに溢れた好人物だと思うのですが、どうしても許せない部分があります。

それは、再会したばかりのジルに「君は強いな」と言ったことです。


ジルは我慢しているんです。クライヴが辛そうだから。

ジルだって、訳も分からないまま敵国に連れられて、ドミナントに覚醒して、人質を取られているから命令に従わなくてはならなくて。

触れてほしくない過去、知られたくない自分、そんなものが多くあるだろうに、クライヴが様々な出来事を経て傷を乗り越えている間、ジルはたいして弱音も吐かず、ケジメを自分でつけ、献身的にクライヴを支える。まったく嘘みたいに素晴らしいヒロインです。


クライヴの「君は強いな」を、ジルは否定します。

でも、それだけです。ジルの弱さをFF16は描写しません。

代わりにジルの強さの源泉を描きます。

――嵐の中、彼女の手を引いた幼い頃のクライヴ。救われたという記憶。


大好きなクライヴを助けたいという一心だけでジルはやってきたんです。

だから彼女が涙を流すのは、クライヴを最終決戦に送り出さねばならないという時、彼を失うかもしれないという別れの時。

ジルはたぶん本気でクライヴの「君は強いな」を許してると思います。こだわっているのはプレイヤーであるわたしだけ。でも、だからこそ分からない。「強いってそんなわけないじゃん!」「ジルだって辛いよ! 言わないだけだよ!」という気持ちが空回りして、どこに行ったらいいか分からない。

クライヴもジル自身も、ジルを蔑ろにしている気がして、好きになれそうなのに好きになり切れない、そんなキャラクターであったように思います。


ジョシュア

ぜっっったいに生きてると思ってました。だってフェニックスですよ

死と再生を司るものなんだから、戻ってくるでしょう。途中意味ありげに出てきたフードの男だって、顔を隠すってことは「見たら誰だか分かる」ってことですから、十中八九ジョシュアだと思ってました。なのでクライヴが嘆き悲しんでいる間、わたしは「いや生きてるって」と思っていたため、クライヴの悲しみに寄り添ってあげることができませんでした(すまん……)

仲間に加わってからは、いつ死んでしまうかとハラハラして、色んなところで写真を撮りました。ジョシュアは正統派イケメン王子で、写真映えもするのですが、王子様ムーブもそこかしこでしているので、各地に泣かせた女の子がいないかだけが心配です。確実に一人は泣かせているし。


個人的には、ジルのために大好きな兄をぶん殴ったシーンが好きですね。

「ジルは我慢しているんだ」

いいぞ、いいぞ、もっと言ってやれ。


あとは後述のディオン・ルサージュとの一連のやり取りも好きです。

ずっと「ルサージュ卿」「フェニックス」って呼びあってたのに名前呼びになるの、互いの命を預けて戦う盟友って感じですごくいい。関係値的にクライヴはそこに混ざれないのも含めて。


トルガル

氷狼フェンリル。クライヴの相棒。

ずっとかわいい。癒し。システム的にも癒し(戦闘中、時々回復してくれる)。有能すぎる。撫でられるだけずっと撫でていました(傷つきクライヴには癒しが必要だと思って……)

終盤のサブクエで13年間ずっとクライヴを探してくれていたことが判明します。

なんて健気なんだ……

エンドロールでジルが耐え切れず泣くシーンで、そっと隣に寄り添って、その泣き声をかき消すように遠吠えするトルガルに驚嘆しました。作中のどの男性よりも気遣いができていると……


バイロン

クライヴとジョシュアの叔父。

とっても素敵な人物ですが、甥っ子であるクライヴとジョシュアが13年前に死んだと思っていて、クライヴが会いに行っても「甥を騙る不届き者めが!」と怒りも露わに襲い掛かるわけで。いや、このシーン好きなんですよ。

クライヴが急に剣を抜く仕草をして、空に見えない剣を掲げ、朗々と台詞を暗唱する。


何度も何度も、幼い甥にせがまれた「聖女と使徒」のごっご遊び……


あのシーンでバイロンがどんどん涙声になっていくのが、胸に来るんですよ。

もう会えないと思っていた可愛い甥っ子が生きていた。こんなに嬉しいことはないと。

その後、惜しげもなく資財をクライヴたちへ投じてくれるのは、苦労をしてきた甥たちに自分のできる限りをしてやりたいという愛情、そして、未来のため世界に抗い続ける人々を信じるということでもあります。


アナベラ

クライヴとジョシュアの実の母。人間の中だと、だいたい悪いのはこの人。

人物紹介の中で動機を語るのはやめなさい


ディオン

ザンブレクの皇子。この人絡みのエピソード、結構どれも好きなんですよ。

一方その頃……といった感じで主人公たちとは別側面から物語に重厚感を与えてくれていた存在ですが、彼のことを最初に良いキャラクターだと感じたのは、彼の恋人テランスとの語らいの場面でした。

テランスはザンブレクの皇子であるディオンの従者で、男性(同性)です。

巧いなと思った点として、ディオンもテランスも清潔感のある比較的線の細い美男だということが挙げられます。彼らだけ世界観が少女漫画というか。CLANP風というか。クライヴのように筋骨隆々のデザインだと一気に雰囲気が変わるので、プレイヤーの受け入れやすさが違ったのではないでしょうか。

軍隊は比較的同性愛に寛容な気風が生まれやすいといいますし、皇子なので下手な相手を恋人にすると後々厄介なことになる可能性がありますから、同性を恋人にするハードルは低かったと思われます。また、公になってはいないようですが、ディオンの母親はどうやら身分が低いらしいことから、彼の血統を神皇家に残すことが許されていない可能性もあります。

そうしたバックボーンに説得力を持たせつつ、なんとなく、理屈でテランスを選んだわけじゃなさそう(本気っぽい)というのが、ほんのわずかな時間で伝わるのがすごいシーンでした。

ですが、物語終盤、彼はテランスの恋人であることよりも国を背負う皇子であること、その責務を全うすることを選びます。天秤はもう覆りません。このあたりの描写も冴えていましたね。ディオンに生きていてほしいテランス、自ら科した償いのため死地に向かい、生きて帰るつもりのないディオンと。移り気したわけではないので表現が難しいのですが……終盤、もうディオンの心はテランスになかったように感じます。


隠れ家の人々

ガブはもちろんのこと、カローン&グツが妙に最初から好きでした。

なんでだろうなぁ……たぶん台詞に奥行きがあったんですよね。金儲けが何よりの娯楽だったカローンがシドの言葉に乗せられて、いつの間にか、隠れ家を支援して、《シド》たちのつくる新しい世界を見ることの方が楽しくなってしまったのだと……だから死んでくれるなよと。

登場があまりにも唐突だったので受け入れるのにちょっと時間がかかったけど、ミドも好きでした。

あの底抜けに明るい娘、ひとりだけ違う世界からやって来たような少女。新しい隠れ家の浄水器を創ったのが彼女だったとは。全部終わったあと、エンタープライズを善人にしか解けない謎に託して隠そうっていうエピソードも素敵でした。


シド

この人抜きにFF16は語れないでしょう。

少なくとも、わたしは彼が居なければこの物語を最後まで進めることはできなかった。

飄々とした理想家で、カリスマがあって、ミステリアス。よくぞここまで要素を詰め込んだなと思えるほどの人物ですが、彼が死の間際に理想をクライヴへ託そうと思ったシーンの台詞が素晴らしくて。

「せめて人が人として死ねる場所を」と言ってきた彼が、ずっと言えなかったことをクライヴが軽々と超えて行ったのだと――それは「人が人として生きられる場所をつくることだ」と。



さいごに

エンディングテーマが米津さんなんて聞いてませんけど!!!???

「月が見ていた」

あーあー、もう、あんなに色々言ったのに、なんかいい感じにクライヴとジルが月の下で交わしてきた会話やおまじないが頭を過っていく……あの夜も、あの夜も、月がきれいな夜だったね……ふたりの約束は月だけが知ってるんだ……


嵐が過ぎて、朝日が昇る。そうしてあなたは帰ってくる


きっと、きっとクライヴはジルのもとに帰りました。

そうして筆を執ったはすです。「人が人として生きる場所」を得る戦いを後世に残すために。

きっと、そうでなければなりません。

多くの人が信じるように、わたしもそう信じます。





(追伸)

最後になって急に「最後の幻想」とか「究極の幻想」とか言い出すの、やめませんか

無理矢理なタイトル回収は面白いだけですよ。ねぇ。


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