top of page

死の舞踏に寄せて【前編】

こんにちは! 昨日の北南ライブはありがとうございました。

おかげさまで『好きって言ってよ!悪夢ちゃん』も300DL達成しました! めでたい!!


ライブでもちょこっと話題にしましたが四年は寝かせた次回作『あやかしあやし』も鋭意製作中です。ずいぶん前に書いたシナリオで、当時も流れこそ気に入っていたものの納得しきれないところがあったので今こうして手を入れてはじめて、自分に足りないものを実感しています。


さて。

本日は、アイドリッシュセブン復刻イベント『ダンスマカブル』前編シナリオを読み終え、いろいろ書きたい感想が増えてきてSNSだと埋め尽くす勢いになるからブログにしちゃおう!

※森戸はネタバレ全く気にしないので、先輩マネージャーさんたちの後編に対するなんだか不穏な雰囲気を察知しており、後編が来る前に好き勝手言っておこうという算段です。


La Danse Macabre

全体の印象としては、めっちゃくちゃ好みですね! これは少女漫画です!!!

古き良きボーイミーツガール(ガールじゃないが)の匂いしかしません。出会いが世界を変えてしまうアレです。甘くも優しくもないけど、古の少女小説って主人公に厳しいしこんなもんだよね?


そもそも「ダンスマカブル(死の舞踏)」をコンセプトタイトルに持ってくるのが良!!!

わたしはもうペルソナ3の「メメントモリ(死を想え)」で、どっぷりあの頃の西洋の退廃的で陰鬱とした世界観に浸かってしまっているので、これが刺さらないわけがないんだなーーー!

あの世代はみんなコレが好き!※主語肥大


ダンスマカブルもメメントモリも、中世末期の黒死病(ペスト)流行のもとに生まれた終末観。

どこまでも死の臭いが強くつきまとう独特の空気は、どこか青春時代の息が詰まるような生きづらさと閉塞感に似ている、ので、ジュブナイルと食い合わせがいいんですね。


余談①》ジブリの『もののけ姫』や最初期の『新世紀エヴァンゲリオン』にも同じような雰囲気が漂っているけれど、これはもう時代が生んだ作品だとしか言えない。

今、同じ題材で作品を作ったとしても同じようには絶対ならない。それは令和が新しい時代で、新しい時代にはそれにふさわしい新しい神話が紡がれるべきだからだ。例えば『プロメア』のような。ただ、エヴァも当時の「新しい神話」を作った作品であることに違いはない。

そうやって水が流れゆくように留まらず連綿と紡がれていくのが、物語の神髄なのではないかと思う。


キャラクター

好き嫌いの分かれるだろうプラセルも含めて、登場人物みんないいな〜というのが前編まで読んだ感想なのですが、見た目ではシャオが好きですね。というかユニティーオーダーの制服が好きだ。あとアルム、ヴィダやフーガも好き。

でも、一番好きなのはやっぱり……


リーベル


この人です。

いやもう誰もあいつには勝てないでしょうよ。

なんなのあの格好良さ。


理想主義のロマンチストで心に少年を住まわせた熱い男…と、基本的なパーソナリティは八乙女楽なんだけど、住まわせた少年が小二男児から憂いを知る十四歳になっただけでこうも表出の仕方が変わるとは。

げに恐ろしきは顔の圧力。


実はわたし、八乙女楽がイケメンとは思ったことなくて。

というより色気を感知できないので「抱かれたい男No.1? ホントに?」という印象なんですよね…(全国の八乙女楽過激派マネージャーに滅多刺しにされてしまう)

シナリオ読んでりゃ八乙女楽がイイ男だってのは分かります。ちょっとばかり昔気質かもしれないけど(江戸っ子らしい距離の近さ、女子どもは守るもの)、それを全人類に隔てなく、嫌味なくやれてしまうから八乙女楽はイイ男なんですよね。

しかも決して博愛主義というわけでもなく、仲間は特別大事にするのだからパーフェクトでしかない。八乙女・パーフェクト・楽じゃん。

少し話題を巻き戻すと、ここで言う「抱かれたい男」とは「わたしを特別大事にしてくれる男」のことを指していると思われるため、紡に対する態度を鑑みるとパーフェクト楽がテッペン獲るのも頷けるわけで。


八乙女楽ってイケメンだったんだなぁ……(しみじみ)


しっかしまぁ、あの退廃的で破滅的なな世界に八乙女楽の紙のように白い肌が映える映える。

あんまりTRIGGERには赤のイメージなかったし、今でもアイドルや一個人としての彼らに赤が似合うとも思えないんですが、ダンスマカブルの衣装は誂えたようによく似合う。

実は衣装の話がしたくてブログを書いているようなものなので、事項でピックアップします。


余談②》アルム周りはね、もしこれが少女小説か少女漫画で、リーベルが八乙女楽じゃなければ、フーガがヒーローポジションでもおかしくありませんでしたよね。最初は反発していたところから少しずつ歩み寄って…なんて王道もいいところですよ。

恐ろしいのは乙女ゲームでも同じ設定が流用できそうなところですかね。ダンスマカブルが放送された世界の亥清悠、超逃げた方がいい。

まぁ、今回はあまりにもリーベルがリーベルだったし、フーガがリーベル至上主義だったし、そもそも少女小説でも少女漫画でもありませんでしたので、そうはなりませんが。


衣装の意図

今回、復刻イベントを読んでいてふと感じたのは衣装の意図です。

他の衣装もいろいろと細かく凝っているのはもちろん疑いようもないのですが、あくまでキャラクター個人(個性の表出だったり、心理面の表現だったり)を引き立てるものに限定されていたものが、ダンスマカブルではそれこそ作品自体における演出意図があるように感じます。

では、それぞれのグループごとに見ていきましょう。



ユニティオーダーアーク

かっちりとした詰襟タイプの制服ですね。カラーリングは白・黒・金・緑です。肌を見せる範囲が非常に狭く、厳しい規律に縛られているような印象を受けますね。

布地も多く使われており、服を見るだけで裕福であることが伺えます。

また、色形ともに非常に権威的かつ威圧的と言って差し支えないでしょう。白黒(真偽)の天秤を司り、まるで正義は我の手にありと言わんばかりです。真っ白ではなく教会の色である黒(後述します)を入れることで、教会の強い権力を感じさせます。

差し色に緑が入っているのは「生命」あるいは「守護者」としての象徴でしょうか。風そよぐ木々(≒生命、癒し)や、守りをイメージするとともに、地上の色である赤(こちらも後述します)の反対色であることも偶然ではないはず。どことなく血が通っていないイメージがあるのかも。

デザインモチーフのいたるところに□が散りばめられているのは、権威や安定、停滞を示してる…?


ナーヴ教会アーク

諸悪の根源としか思えない組織。

こちらも喉元までかっちり。カラーリングはユニティオーダーよりも少なく、黒・金です。基本の布地が黒で装飾品として金が入る形になります。

昔、美しい漆黒の布といえば高級品だったそう(うる覚え)。なぜかと言うと、染料がものすごくたくさん必要だからです。美しい黒になるまで何度も何度も染める必要があります。半端にやるとみすぼらしく汚い「黒っぽい/黒に近い」色にしかなりません。

そうした歴史的背景を踏まえると、権威的で秘密主義のナーヴ教会にはこの色以外あり得ないように感じますね。

また、ナーヴ教会の核であるはずのアルムにのみ、差し色として緑があるのが非常に示唆的です。おそらくナーヴ教会に限って言えば、キャスティングも髪の色まで意識していると思われます。

モモ→黒、ナギ→金、悠→青緑で。緑が大和じゃないのは……流石にオニーサンにアルムは厳しかったんじゃないかな……


リベリオン地上

我らがリーベル率いるリベリオン。カラーリングは深い緑と赤、それから黒。

ここで言う黒はアークにおけるものとは異なり、おそらく死や絶望のイメージとしての黒でしょう。緩やかに指先から死に絶えていくような、息絶えた後の物言わぬ骸のような。彼らの体の一番近い部分に死があって、それを黒に近い生命で覆っている。

赤は闘争と血、熱、怒りの色です。争いから始まり、すべてのイメージが連鎖的につながっていく。

リベリオンと言えばRを模したマークも特徴的ですよね。△をベースにしたスタイリッシュなマークですが、これが三角形であることにもまた(ユニティオーダーと同じく)意味がありそう。

あと、この世界の歴史的背景がさっぱり分からないのでなんとも言えないのですが、フードつきのデザインがあるってことは結構文化も栄えた後の世界なんでしょうか。ああいうラフな格好ってそれなりに後世のものなんですよね。それともリーベルのあれはフードではなくマントの一部っていう設定なのかな? あのデザインだとジッパーとかもついてそうだけど、一応、見えるところにはついていない。

文化レベルが想定できない……火薬はあっても通信機器は出てこないし……むーん……


黒縄夜行地上

ストリート系のスタイルが前面に出た衣装。真っ赤っか!

黒、赤と本作定番の色がきて、差し色に鮮やかな水色が目を惹く。水色を使っているのは記憶違いでなければ黒縄夜行のみ。

もう、ほかのメンツと比べて纏う赤の量が桁違いに多いですよね。これはもう派手に血しぶきをあげて戦いの中で死んでいくに違いない。穏やかな死は望まない、怒り続けることを選んだ彼らの精神性を分かりやすく表現していると思います。

何度でも言うけれど、差し色の水色が本当に憎くて。ラフな(=ライトな)スタイルと、差し色があるから重厚感のあるデザインの中で赤が重くならないんです。水色が鮮やかであればあるほど、ハレーションのように赤も輝く。


<???>地下

プロモで流れていたunknownですね! いやぁ、わくわくするなぁ! わくわくするような内容じゃないって言われそうですけど!

さて、本題のファッションチェックです。

この三人の衣装は白・黒がベースですね。旅装のような比較的ラフな系統の服でありながら、ユニティオーダーと同じようなベース配色なのが気になるところ。それでいて、三人中二人が赤系統の髪色なのは意図的かな? アークと地上と両方の要素を持たされているデザインに感じます。



ダンスマカブルの衣装全般に言えることなんですが、背負うもの、しがらみ、生まれ持った業が多いキャラクターほど彼らを縛るようにベルトや装飾品を多く身に着けていて……まるで枷のように見えます。フーガやクウラ、オルカ、ライデン、シャオなんかは比較的身軽に見えますね。

unknown組の装飾品はもっとも少なく身軽と言えば身軽ですが、ベルトは多く、逃亡者という言葉が似合う印象。旅装というか、クオンなんてもう巡礼服っぽい。


前編の終わりに

ダンスマカブル復刻来てくれると思ってなかったので実はファンアートもガンガン見てたんです。

だけど、役割や姿形は分かってもシナリオの流れは結局分かんなかったんですよね。わたし、結構見てないのに全部知ってる、みたいなの得意なんですが……なんて言っているうちに、ドでかい(っぽい)ネタバレを踏みまして。なんとさらに期待が高まっております!!!

だって最重要カードだけ空いて、周りが空白じゃ結局なんも分からん!

賛否両論らしいけど、たぶん森戸は好きな方だと思うとえしぇみるも言っていましたし、後編が楽しみです!


気が向けば後編もブログにまとめますので興味のある方は覗いてみてくださいませ。

ではでは~


タグ:

最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page