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死の舞踏に寄せて【後編】

こんばんは~

最近、手の冷えがひどくなってきたことで季節を感じます。今日の冷え込みは厳しいらしいですから皆さまお体ご自愛下さいませ。クリスマスとかは買い物をするいい口実になって嬉しいし楽しみなのですが、いかんせん季節が過ぎ去るのが早すぎますね。


さてさて本題に入りましょう。

アイドリッシュセブン復刻イベント『ダンスマカブル』後編、読み終えました!

好き勝手感想はじまりますよ~!


ちなみに事前に持っていた情報は以下の通り。

・フーガは死ぬ
・ヴィダも死ぬ
・シャオの出自が地上
・ロイエとシャオが義親子
・シャオも死ぬ
・地下組に昔の天子がいるらしい
・地下組は不死
・最後にルート分岐がある
・どうやら不死ルートがある

いや~我ながら笑えるくらいほとんど全部知ってますね。

事前情報から漏れていた天子の呪いについても、前編で出ていた情報から大体予想がついていた通りでした。人為的な呪術兵器、まぁそんなもんでしょう、と。


あと文化レベルが判明しましたね!

一回ある程度まで栄えた後にぶっ潰された感じ。オーケー、これは想定の範囲内。でも前編であんだけ首捻ってたのに普通に通信機器出てきたわ。

想定外だったのはアークの技術レベルの方で、いっそSFだった。服装とか思想統制は中世を踏襲しているくせ、その基盤を支える技術だけSFとか。反則でしょう。

過ぎた科学は魔法と区別がつかないって本当にそうですよね。まさか、ここでそれが効いてくるとは思っていませんでしたけど。

信仰心を集める「奇跡(=魔法)」が科学技術。

人々へ公表する知識も当然統制しているでしょうね。アークに学校があるかは描かれていませんが、仮にあったとしても教える内容は地上にあるものと同程度か少し上くらいに抑えておけば、人々からは奇跡の御業にしか見えない。

ただ完全に発展にストップをかけてしまうといくら時間があってもアークと地上に差が出るわけがないので、才能がありそうな人間だけを選別して洗脳あるいは聖印で拘束し、制限している知識を提供して応用発展させるための設備もありそう。

ナーヴの、人の尊厳を奪う様が手馴れすぎていて反吐が出る。


知識の意図的な制限、選択肢の隠蔽。これによる思想統制。


歴史を振り返ればいくらでも同じような事象は掘り返せるけれど、こうして改めて丁寧にお出しされると憤死しそう。

だからこそ自由というメッセージが力強く感じられます。


選択肢 →下

最初に選んだのがこちらでした。

希望ある、いいエンディングだと思います。


死してなおリベリオンの指針であり続けるリーベルに、ちょっとグレンラガンのカミナを思い出しました。

生きていたら彼の指示や信条になんだかんだ文句や不満も出るけど有り余るカリスマ性が彼を人々の前に立たせるタイプで、死んだからこそ指導者として完成してしまう。そういう人だ。


「リーベルだったら、こんな時どうするだろう」


人々は道に迷うたび、夜空の星に目を凝らすように、己の中のリーベルへ問いかけ、リーベルの信条をなぞるでしょう。

その選択を本当にリーベルが選ぶかどうかはもう関係ありません。死者は語る口を持たないからです。


それでも皆が同じ夢を見る。

リーベルという夢を。


誰も彼には成れないと知っていて、それでも彼の理想や強さを紡ぎたいと願う。あの滅びゆく世界で生きる輝きを失わないために。

リーベルの生き様は、ただ、叫ぶ。


この世界は美しいと、

愛おしいのだと、

――命を賭けるに値すると!


憧れは、理解からもっとも遠く、抱くものに苦しみを与えるもの。その強さは、ともすればフーガのように身を滅ぼしてしまうほど。

終わらない世界に誰もが疲弊してもきっとアルムは指さすでしょう、北極星のように皆を導くリーベルの星を。その姿がきっと地上の希望になる。

そういうエンディングでした。


選択肢 →上

一度選択したらもう一つは見れないのかと思って焦った~~~!

見れてよかったです!


色々とツッコミどころはあるんですが。

たとえば、ミゼリコルドはどうしたとか(下の選択肢で元気にしているのでおそらくこちらでも生きている)、彼の用意した次の天子はどうしたとか(クオンの時は不完全解呪したと同時に天子の呪いは赤子へ移っているので)、カバネたち死んだら不完全解呪の方法も失われちゃうじゃん!!???とか。


これらを論理的にまとめてエンディングにつなげようとすると、穏便な方でも、


  1. ミゼリコルド率いるアークと全面戦争(※呪いの核である赤子は解呪法が失われたため次の天子を用意される前に殺害する)

  2. 勝利の後、地上に知識・機材提供して新しい世界を造る

  3. しばらく人類栄える

  4. また衰退する

  5. 人類滅亡・終末世界 ←今ここ


だし、

穏便じゃない方だと、


  1. ミゼリコルド率いるアークと全面戦争(※呪いの核である赤子は解呪法が失われたため次の天子を用意される前に殺害する)

  2. ぶつかった結果、アークも地上も全滅

  3. 死ねないふたりだけ生き残ってる ←今ここ


どっちに転んでも~~~\(^o^)/オワタ

ただ、「※呪いの核である赤子は解呪法が失われたため次の天子を用意される前に殺害する」が、あのメンツだと難易度高いんですよね~赤ん坊殺せなさそ~~~~!!!


アルムがそれを許容するかっていうのが非常に微妙なところで。誰かを殺して生きていくしかないなら殺してやった方がいいと同じ天子の立場で思うか、この子に罪はないと考えるか。

色々思うところがありそうだけど、すでにプラセルやシャオを呪い殺している自分が助かろうと言うのだから、まだ誰も殺していない赤ん坊は当然生きる権利があると考えるのがこのシナリオっぽいかな。リーベルなら間違いなく赤ん坊も助けようとするでしょうしね。


そうなると次の天子は殺さずアークから攫うという選択肢を取ることになるわけですが、のんびり育てているとまた「次」を用意されてしまうので、根本的な解決にならない。ナーヴ教会の大本をぶっ叩くのが一番いいけど、難しいでしょう。

一度、地上に戻ってからなんて呑気なことを言っていたら、確実にアークはすでに体制を整え終えて勝ち目は無くなっている。頭をすげかえたナーヴ教会に慈悲はないでしょうしね。

ヴィダがアークへ単身乗り込み好き勝手に荒らしたあの瞬間が千載一遇の好機だった。あれを逃したら次の成功の目はないってくらいの、そういうタイミングだった。


そういう状況になれば、取れる手は限られる。


考えられるのはギリギリまで損得勘定して迷ったクウラがこっそり赤子を始末するくらいかな。でも、あのシナリオ的に未遂で終わりそうだし、なんなら未遂で終わった直後にナーヴ教会が次の天子を大々的に知らしめるくらいはやりそう。

そこまでくればもう赤子は生かすしかなくなって(天子の呪いが次の天子に移ればナーヴ教会の戦力増強になるため)、傍にいられるのはクヴァルしかいないから、もうひとつのエンディングのようにクヴァルは次の天子に寄り添って生きていくことになる。

そうしたら天子が途切れるタイミングで、「次」を作らせないようリーベルとアルムが画策するしかもう手がない。あの戦力差なら、死なないふたりがやるしかない。

まとめると、


  1. リーベルとアルム、不死になる

  2. 次の天子となった赤子を連れてアークを去る

  3. 赤子をどうするか協議→育成することに

  4. クウラによる赤子殺害未遂

  5. ミゼリコルドによる次の天子のお披露目→赤子は殺せなくなる

  6. 人里離れた場所でクヴァルのワンマン子育て奮闘記、開始

  7. 次の天子を作らせない(この頃にはすでに当時の仲間は皆死んでいる)

  8. アークは滅ぶ

  9. 地上もそのうち滅ぶ

  10. 世界にリーベルとアルムふたりきり ←今ここ


こんなもんですかね……

考え出すとどうしようもないですが雰囲気で読むならめちゃくちゃ好みのエンディングでした。

しっかし、こちらはリーベルの精神の異常なまでの強靭さが際立ちますね。

なんで普通のままでいられるんだ?


心理描写etc.

エーテルネーアについては後編でなんかあるかもと思って前編では言及を避けていたんですが、なんもなかったッスね!!! も〜〜〜〜ず〜〜〜〜っと憂い顔してただけの人だった。

なんで百をあの役に当てたんだ……

ミゼリコルドの裏をかくくらいはして欲しかった。

あれではナーヴのトップを張るには弱すぎるし(実権はミゼリコルドに握られていたとしても、そのくらいの意地は見せて欲しかった)、善人すぎる。

幼少〜少年時のミゼリコルドがどんなんだったか知らないけど、あの説得で協力が得られるような人物であったと(わたしはそうは思わないが)仮定しても、日頃から接していれば、もう以前の彼ではないことくらい理解していてくれよエーテルネーア……

それが分かっていてもなお一縷の望みを捨てきれない、苦悩が描かれていればまた違ったんだろうけど。というかこの辺り描写が少なすぎる。


反対に素晴らしかったのは、ロイエ・シャオの親子関係。

直接的な言葉での描写は可能な限り削られて少ないにもかかわらず強固かつ複雑な絆を描ききっている。

アルムに対するロイエ隊長の台詞回しがいいんだよな〜あの難しい役どころを当てられている辺り、千は演技の世界でも実力を認められているんだということが実感を伴って感じられますね。

あと、さんざん言ったけどミゼリコルドは怪演だったと思います。それは否定できない。だからこそエーテルネーアの存在感の弱さが目立ってしまうわけだけど……


あとは地下組!

古の英雄王カバネが格好いいのは言うに及ばず、上の選択肢を選んだ時のクオンとカバネの差がなんとも素敵だわ。

自分の言動に後悔のあるカバネ、彼の本意を理解しているからこそ後悔のないクオン。

たぶんカバネはクオンが自分を理解していることを知っているけど、だからといって今までの振る舞いを看過していい理由にはならないと思っている、どこまでも「正しい」人なんでしょうね。


あと、前編で色々言っていた衣装なんですが、改めて見比べてみると、リベリオンの衣装の差し色って思ったより赤じゃないんですよね。

どちらかと言えばオレンジ寄りの赤。パッション、エネルギッシュなイメージなのか?

結構ひとりひとり違う色っぽいんですよね。フーガは結構しっかり赤色だし、クウラはオレンジ寄りで、リーベルはその中間。目測ですけど。

そうやってひとりひとり見比べてはじめて、リベリオンでひとりだけリーベルにくすんだ青緑が入っていたのに気づきました。なんとなくアルムとのつながりを感じます。


最後に

偽りの中 幽閉された希望

奪い取って 遥か遠く未来まで


主題歌の『My Precious World』割とストーリーそのままですよね。そこが好きです。

まぁ本編のどういう時間軸なのか謎ですけどね。TRIGGERとズール共演て。

とにかく、毎日少しずつ読み進めるのが楽しみでした。

ありがとう!


それではまた次回、何かの感想記事で!

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