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醒めない夢を、一緒に

こんばんは。おはようかもしれませんが、書いているのが夜なので。

そう言えばこの間、激しめの夕立があったんですが、その後の空がとても高くて、空気が澄んでいて。水溜まりがきらきらして、駆け出したくなるような、清々しさがありました。まるで世界が新品になったみたいに綺麗で。

しょげている時、もうダメだ〜って挫けそうな時、不思議と世界はいつも美しい。なんだかしてやられている気がして悔しいです。

まぁ前置きはこのくらいにしておいてさくっと本題に参りましょう。

今日はアイドル育成リズムゲーム「アイドリッシュセブン」感想、中編です。

今回はシナリオメインにお話していきます。


1部

まず、そもそもの設定にツッコミたいですね。いや野暮なのは承知の上で。だってあんまり無理ですって。社長の娘とはいえ10代の社会人一年目の少女がいきなり七人のアイドルのマネージメントをポイッと任せられるとか、ありえないでしょ。アイドルからしたって社長の娘つけられても困るし。社長、出だしから騙すし。人間不信になるぞコラ。

一織もよくあれでマネージャーのこと信じようと思ったよな。信頼って一回失われた時点でかなりの痛手なんですけど……

まぁそこは一旦置いておくとして。そこから序盤はIDOLiSH7結成からデビューまでの紆余曲折が語られますが、感じるのは圧倒的ディスコミュニケーション! お前ら会話しろ!!! それで問題の八割は解決する。


話として好きなのはアニメ第8話「プリーズ、ミュージック」ですね。あそこが嫌いな人なんていないんじゃないかってくらい好き。一織の可愛げが分かりやすく表出する場面でもあるし、ナギの優しさや願いの一端に触れる感動的なシーンで……今振り返るとこのあたり淀みがなくて安心する……


感動の再会〜みたいな番組で環が父親と引き合わせられたシーン、アニメで環を醜く描いたのは英断だと思います。人が人を憎む時、それがどれだけ順当で正当な感情だったとしても美しくはならない。そしてそーちゃんは完全に子どもを守る母虎みたいになってた。いつの間にそんなに仲良くなってたんだろうと思ってたらその後も盛大に喧嘩してるからよく分からん……一進一退だな。


それはそうと、アニメ一期最後にねじ込まれた「総合優勝はーRe:valeです!」が、力技すぎて笑ったんですが。え、そんなグループあった!? 今まで一度も名前出てきてなくない!? みたいな。てっきりTRIGGER一強だと思ってましたよ。序盤でアイドル界の全体像分析図があってもよかったかな。ゼロの話も結構唐突だったし。

2部

そうしてブラックオアホワイトがIDOLiSH7の勝利で幕を閉じて1部終了、2部はゼロアリーナのこけら落とし講演がメインストーリー。


序盤で、九条氏がゼロアリーナ前でマネージャーと初遭遇するあたりの動きヤバくなかったですか? いや完全にヤベェ奴の動きだったよ(反語)。あの人の言うことを真摯に聞いてあげているマネージャーとナギがいい子すぎる。わたしなら逃げ出してる。九条氏には精神科へ通院することを強くお勧めしたい(前回ぶり2回目)。


そしてRe:vale過去エピの百が千に「音楽をやめないでください」って押しかけ続けるの、すっっっごい好き。献身じゃん……って無意識で声に出たからね。あのあたりもアニメが美しくて、素晴らしいです。ED曲「ミライノーツを奏でて」と画面的な印象を重ねてきているのもすごい。巧い。


そしてゼロ(あるいはその代弁者)は案外近くにいるらしいことが最後にねじ込まれましたね。この手法、もはやお家芸なのか。


3部

3部は今ちょうどアニメが放送中ですね。森戸は一気に観たい派なので後でまとめて観るつもりです。わくわく。

最初に全体の感想だけざっくり言うと「事前に聞き及んでいたことから想定していたよりヘビーじゃなくてヨカッター!」です。意外とコメディ色が強めだった印象があります。賛同してもらえるかが非常に怪しいところではありますが。


出だしは「人気絶頂、空前の男性アイドルブーム」という好調すぎて却って怖い空気。まぁ、あからさまに地雷があちこちにあるもんな。ほら、自称お兄さんとか。IDOLiSH7のリーダーとか。二階堂大和とか。


チャリティー企画「FRIENDS DAY」で、トップアイドルを3グループも集めることへの疑問があって良かった。それぞれ戦略的に断れないのは理解できるんですが、どうも安売りしすぎて違和感あったんですよね。八乙女パパ、マジそれって感じでした。なので、本来であれば、オファーの段階でサブ・サポートの人員をもっと格を下げるか、アイドルを避けるべきだったんですよね。○周年記念!とかのスペシャル企画とかでもなければ豪華すぎる。そこも含めての陰謀だったわけですけど。


水面下で悪意が蠢く中、ついに二階堂大和の出自についてがメインに。


しかし千葉サロンが想定より健全だった件。ヤマさんがあれだけ毛嫌いしているからもっとヤバいところだと思ってたんですよ。その、特定のパートナーの有無に拘らず肉体関係を持つ場になっていて、サロンでのことは不問にするのが暗黙の了解である、くらいはあり得ると思っていました。いっそ「なんだよ千葉さん愛人って一人だったんだー!」くらいのテンションでしたからね。

もちろん、本人にとっては大問題だし、そんなことなんて言うつもりはないけど、別にそれでIDOLiSH7が潰れたりとかはしないと思うなぁ、と言うのが正直なところ。大和本人は悪いことなんか一つもしてないんですもの。


それにしても暴露大会前のナギの電話爆弾、劇物すぎる。と言うか、Re:valeはともかくTRIGGERはマジでなんで呼ばれたか訳分からんやつ。よく分からんうちにいきなりあんなお家の話そのまま聞いてくれるの、いい奴すぎるでしょ。

あれってシナリオ上の都合で見ると、流れで百から情報を共有するために呼ばれてるんですよね。

これ考え始めると、ナギの蛮行をどう捉えるかちょっとまだ落とし所が分からない。とにかく年長者家出中のお子様組が可愛かったことしか分からない。


暴露大会後から徐々にダークな雰囲気が増してくるストーリーですが、花巻すみれ、明らかに怪しいだろ! 気づけよ龍之介、お人好しか!!!

その流れからツクモとŹOOĻによるTRIGGER拉致監禁。捜索班の組分けがどう考えても狂ってるでしょ。なんでナギ一人なん? 均等にしない理由が分からないんですけど、そこのところどうお考えなんですかね自称パーフェクト高校生。あと、マネージャーには知らせとけ。お願いだから。マネージャーの心臓止まっちゃうから!

でも、この一連のシークエンスで一番狂ってんなと思ったのは逢坂そーちゃんの「環くんは、バスのボタンも、ファミレスのボタンも、押すのが好きなんです」ですね。間違いなく一等賞だよ。

ヤマさんの「うちの子の微笑ましいエピソードっぽく話さないでくれる!?」がマジそれすぎる。マジで、それ。そーちゃんの緊迫感がログアウトしっぱなしなんですけど、いつの間にこんなゆるふわになったんですかFSC御曹司。


そうして冒頭のムービーへ繋がる、路上で歌うTRIGGER……


どうしてでしょう。想定より、ずっと、辛くありませんでした。天下のTRIGGER、傷一つない、極上品の宝石であった彼らが堕とされたとなれば、想像だけでも苦しかったと言うのに。

答えはシンプル。彼ら自身が、まだ負けていなかったから。こんな卑劣な手では彼らに傷は与えられなかったからです。

あぁでも、ちょっと語弊があるかも。本来、TRIGGERの魅力は傷がない最高級品だから、ではないんです。もちろん八乙女事務所はそういう風にブランディングして売り出していましたから、それが完全に間違いであるとは言いませんし、確かにTRIGGERのブランドには泥がつきました。

でも、彼らがプロである限り、その輝きが失われない限り、TRIGGERは永遠に醒めない夢となれる。つまり、彼らの精神性こそが本来の魅力であり、それは少しも損なわれなかったばかりか、一層強く浮き彫りにした形になったわけです。


いざと言う時、一番脆さや繊細さがあるのは八乙女の男の血なんでしょうね。この一連の流れで図らずも八乙女パパの愛情深さが明らかになったし。

初の路上ライブ前に「あいつに見られたくないって思ったんだ。俺たちを虹だって、言ってくれたから……」と言う場面、初めて八乙女楽にきゅんとしました。

たぶん最初で最後だと思う。


その流れからの、九条天の涙。

あまりの美しさに息を飲みました。彼は悔しかったわけでも、悲しかったわけでもなく、心から嬉しかったから泣いたのだと理解して、彼の献身とひたむきな愛情を思い知らされます。そうして尽くしてきた彼の献身が、あの瞬間、報われたのだと。


アニメになるともっと悪意や罵倒がリアルになると思われるので、辛さが増すと推測されるのですが、基本、描かれるファンが優しくて、この世界は優しいなーと感じます。もっと人の愚かしさが前面に出てくるのも覚悟していたのに。

4部

芸能界全体がツクモの闇に呑まれ伏魔殿となってもTRIGGERの再起を窺わせたところで3部終了、4部のメインは我らがナギとゼロの作曲家・桜春樹です。


正直まぁ4部は……なんというか……詰めが甘いな? ノリと勢いがすごいというか、えっそれで解決するの!? しちゃうんだ!? みたいな。あと、伏線だと思ってたら回収されなかったので伏線じゃなかったみたいなこともありました。


ŹOOĻは悪者のままでもよかった気はする……けど、若いからそれも可哀想で……でもだからこそ、こう、ちょっと小物感が拭えないというか。九条天には歯牙にも掛けられてないし。彼らは皮一枚剥いだ場所にある本質がとても似通っていて、四人で一つの役割をしているように思えるんですよね。

欲しかったものに手が届かなくて、それを認められなくて、だから「あんなもの初めから要らなかった、自分から捨ててやったのだ」と主張する、でも本当は誰かに気づいて欲しいと願う、欲しがり方を知らない子ども。

うーん、せめて虎於は根っからのプレイボーイでいて欲しかった、かも。快楽主義というか、一人だけでも、根本からもう話が通じない相手、というのがいてもよかった。別にトラのその生き方が悪かったわけでもないし。本当の幸せはそうじゃない、仲間との絆、自由、みたいなのはもう出揃っているので、トラ個人としてはそれで良くても作品全体の質を上げるには今までにない要素があってもよかった気がするんですよね。


まぁわたしの我儘なんで、決着に文句があるとかはないです。

告発することもできず、粛々と罪を罪として認識した上で背負い、それを悟らせず、どこまでも傲慢に見せたまま偶像を演じ続けるのが、彼らの罰であるのは納得できますし、TRIGGERは彼らを罰する権利を持てど、義務はありませんからね。ファンを悲しませることはしないと筋を通すのは流石の一言に尽きます。わざわざ好き好んでŹOOĻに復讐したなどという事実を負いにいく必要はどこにもありません。


それにしても十龍之介お人好しすぎる(2回目)!

トラは人の心を学んでから電話してきて! 謝る対象に道徳の授業をしてもらうんじゃありません! めっ!


それから、野暮とは重々承知で、でも気になって仕方ないことがあるんです。一枚絵の彼らの服装です。

だって、オーロラが見られるくらい寒い北欧の冬で防寒がどうこうと言いつつなぜ手袋をしていないんです!? 末端から死ぬ。というよりケンネスさんシャツ一枚って薄着すぎるでしょ。


閑話休題。


総括して、とりあえずナギが戻って来られてよかった。色々不穏な引きだけどそれは間違いなくグッドニュース! なんでこの流れで新曲が「ハツコイリズム」なんだろうと思わなくもないけど、それはまぁいいのだ。

ただ言えること、彼らの願いは、いつだってひとつなんですから。

彼らは、6人のIDOLiSH7になるつもりも新しいメンバーを加えるつもりもありません!(ね、一織!!!)



長くなりすぎて勢いで〆てしまった感が否めませんが、いかがでしたでしょうか?

本当は逢坂お家騒動の巻とかTRIGGERのわちゃわちゃとか桜春樹関連とかもっと色々書きたいことがあったのですが収拾がつかなくなるので自重しました……全国の先輩マネージャーさんたちに怒られないかちょっと心配です。

次回、最終回。音楽と考察について、お楽しみに!

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